拘りは捨てず、柔らかく冷静に。闘争心はいつ出すものか
11月17日(日)
【ジュニアユース 】ロボス・ラコリーニャス
U-13リーグ・2ndステージ 第1節
vs 横浜ミラオーネ
神奈川県・U-13リーグ。9月まで続いた1stステージを終え、グループが新しくなって今日から2ndステージが開幕。
この2日前、練習の後に選手達に対して30 分くらい話をした。
・どうせサッカーをするなら
・このクラブでサッカーをするなら
・3年間の意味
・美しさに拘ることの大切さ
みたいなこと。もちろん選手個々で捉え方や考え方は様々でいいのだけれど、久保田はこう考えていて、最低限譲れないものはこういうことだというのを、寒空の中で「こんなの初めて」というくらいに、彼らに対して話をした。
特に熱を込めたのは 美しさと拘り の部分だった。
サッカーには、勝敗よりも大事にしなければいけないものが間違いなくある。いや、そんなものはない!勝敗が全てだ!という人やクラブもいるかもしれないし実際そういう人は多いのだけれど、少なくとも俺らはそうじゃない。
勝敗よりも大事なもの。絶対に捨ててはならないもの。
それは何なのかということを、クラブのアイデンティティーとして選手 ⇄ コーチの間で共有していたい。「クラブ」とは、そういうもだと思う。
拘りを持って美しさを追求しながら、なりたい自分になるためにサッカーをし、味方と繋がる喜び、味方と喜びを共有する喜びをサッカーで知る。
そして、自分らの試合を観てくれた人達の記憶に残るようなサッカーを表現する こと。
そんな話をした後での、この日のゲームだったのです。
対戦相手のミラオーネさんはよく訓練されたチームで、1stステージでも同じグループだったので対戦もした。春、1stステージ最初のゲームだったと思うけれど、あの時はこちらが勝手に自滅、そして相手の速い展開についていけず、確か0-4で敗れてる。自滅するということは共有するものがなかったという裏返しでもあるのだけれど、今はそれがある。
だからあの時と比べてどれだけ差を詰めているのかを測る意味でも、楽しみなゲームだった。
前回とは雲泥の差で、試合の入りは最高。予想通り相手は前から圧力をガンガンかけてきて、ガンガンと速く展開しロングボールも交えて攻め込んでくる。
でも試合前に共有していたこととして「相手の速さは利用する」というフレーズがあった。これを選手達が上手く体現し、kickoffから続いた怒涛のプレスにも焦らずに対応したまま数分が過ぎた。
この数分で
あぁ、この試合は確実に良い試合になる、と確信した。
しかし
ロングボールの処理を誤り失点、届かないところに突き刺すスーパーなミドルを2つ決められ、前半で0-3。
でもでも、その失点はたぶん「背が大きくなれば解決する」問題。
もちろんそれ以外にも要因はあるのだけれど、彼らに対して悲観的になるものでは全くない。だから僕がベンチから出した声は「大丈夫!」だけだった。
この日はいつになく、自分もポジティブでいられた。ユンケル2本飲んだ効力だろうか。
ボールを持ったら「ゆっくり」「いなす」
そして大事なのは「やわらかく、冷静に」やること。
この「やわらかく、冷静に」というのは僕の最近のキラーワードなんだけど、本当にこれ大事。
ガツガツ頑張ったら技術がブレる。判断を見誤る。脳が働かない。
やわらかく、冷静に。やわらかく、冷静に。相手を見極め、ギリギリでいなしながら、じわじわと前進していけばいい。
そしてこの日は中盤をダイヤモンドの4人にしたのだけれど、とにかくこの4人でボールを失わず、そして遊びまくれと。相手のペースに引き込まれたら負け。こちらの土俵に引きずり込むこと。
特に某ふたり、解放されたように楽しみまくってたな…笑
最高でした。
闘争心を出すのはルーズボールの奪い合いと、相手のシュートチャンスの時だけ。これも試合前に共有していたこと。
いつでも闘争心を出していたらガス欠するし、そんなものは本当の闘争心じゃない。
本当に必要な時にとっておく。そして必要な時に、一気に出す。それが闘争心だ。
まだ闘争心はいらないぞ
そろそろ闘争心出す準備!
今出せ!
そんな指示ばっかりになってしまったけれど、この年代の選手達には、こういった「気の持ちよう」というか、気持ちをどう持ち、いつどのように出すかということを伝えてあげるのは、かなり重要だと思ってます。精神論とは、全く別のものだし。
大事なところで闘争心を出した彼らは最後まで体を張り、勇気を持って前に出て、後半は相手にゴールを許さなかった。
GKのスーパーセーブも、数回飛び出した。GJ。
スタメン11名中、小5が3名。後半は5名。「ニコウエ」の相手にも臆せず対応し、余裕を持っていなし、時には牙を剥いて向かっていき、時には股を抜き、時には空中に浮かせて抜いていく。そして時には2人の間を割って抜いていくサイドバック。
こちらの想定を上回る彼らのそんな表現も、この試合を語る上では欠かせない。本当によくやった。
後半はさらにうちのペースになり、ボールを握る時間も逆転した。何度かシュートチャンスは作ったが、残念ながらノーゴール。
そのまま0-3でタイムアップとなったけれど、収穫たっぷり、そして彼らの拘り、勇気、遊び心もたっぷり、そして美しさを求める姿もたっぷり見られた、本当に良い試合でした。
この日は午前午後と小学生の試合をハシゴして、さらにはこの夜の激しい試合。
疲れ果てたけれど、どこか爽快感のある疲れ。彼らのプレーぶりと、ユンケルのおかげだなー。
次のゲームがさらに楽しみになった!
対戦して下さった横浜ミラオーネさん、ありがとうございました。
【追記】
《観ている人達の記憶に残るようなサッカーを表現する》
というフレーズを使いましたが
せっかくなので「記憶」について、普段、彼らによく言うことも付け加えておきます。
《観ている人の記憶に残るようなサッカーをする》という拘りと相反するようだけど、彼らにはいつも「サッカー知らないおばちゃんが観ているとして、そのおばちゃんの記憶に何も残らないような《さりげない技術》はすっごく大事」と言ってる。
綺麗なスルーパスを通す、豪快なシュートを決める
これら全て、サッカー知らない人に対してはとてもキャッチーでわかりやすくて、もしかしたら一週間くらいの記憶には残るプレーじゃないですか。
でも、そうじゃなく「ほとんどの人が見過ごす、見逃す、気にも留めない」ような「さりげない」技術や気配りなどが、実はとても大事なんだぞと。
1stタッチでの些細な駆け引き、立ち位置の調整、重心移動
動き出しのタイミング、動き直しの妙
相手の動きを見切って、さりげなく1タッチで落とす判断とか
その他、例をあげたらキリがないけれども、人の記憶には、あまり残らない。
でも、超大事でしょ。
野球で「ファインプレーに見せないのが一番うまい」とかよく言うじゃないですか。
そんな感じかな。
美しさや拘りを求めることと同時に、こういうことも、サッカーに必要なことを学ぶ大事な3年間を過ごす彼らには、並行して伝えていかないといけないと思ってます。
ロボス・ジュニアユース 〜 2020年度・新入団選手募集に関して
https://www.footballnavi.jp/lobos/news_view.php?kn=23131
動画多めの日曜日(3年生・U-10)
11月17日(日)
LOBØS Juniors 3年生
vs 横浜北YMCA
(新横浜公園第2運動広場)
今日は動画多めでいきましょう。
息子の試合の応援だけをするんでなくて、自分たちも遊ぶ。
その場にあるもの全てで楽しむ。うちの保護者の人たちは昔からこういうスタンスでいてくれる人が多いので、それが子ども達にもポジティブに伝わってるホント有り難いですね。もっともっと遊べーw
相手を想像しながら自分の世界で寡黙にドリ練。そんな普段の効果が出た、急加速カットインからのゴール。お見事でした。
相手の前で静止してからのダブルタッチ、すね当てを落としながら左右に抜き、ルーレットでかわし、最後はGKの位置も見えて左足ゴール。
今月いっぱいで辞めてしまう子がいるので、みんなで記念の一枚。
続いてU-10・レコスリーグ
(東京横浜ドイツ学園)
この子はずっとFWをやらせてたんだけど、もっと視野を広げさせたいので最近は後ろの方をやらせることが多くなり、その結果全体を観えるようになったことで、以前よりもドリブルの緩急と威力が日に日に磨かれてきてる、という好例。
で、最後にこの動画。
パッと見で一番目立つのは10番くんのドリブル突破と最後シュート外して盛り上がるみたいなシーンかもしれないけれど、、
お疲れハイタッチ
午前と午後、充実した試合を終え、この日はさらにもう一本。夜にジュニアユース のU-13リーグが。
その模様は、次回へ続く。
アップダウン激しすぎ
11月16日(土)
LOBØS Juniors U-12
レコスリーグ
vs BFA jaguars
(東京横浜ドイツ学園)
レコスリーグのU-12カテゴリーは9人制で30分ハーフというレギュレーション。
この日うちは16名選手が来てたので、ほぼ2チームに分け、前後半それぞれ15分のタイミングでGK以外を総入れ替え、というルールを子ども達とも最初に決めてから、試合に臨みました。
どんなにミスをしても15分までは交代しない、という安心感で積極的にプレーできる反面、サボろうと思えばいくらでもサボれるわけで。
この試合はそれがもちろん良い方向に出て、ベンチメンバーも外から一体感を出しながら一緒に試合をするという姿になれていたかなと。
30ハーフを15分ずつで交代だから結局15分x4本なイメージで、それぞれの15分で仲良く1点ずつ取って4-0での勝利。
全てがうまくいった感。
この試合の後に自分はすぐ主審。次の試合に備えてメンバー決めも含めてしっかり準備しておいてねと。
残念ながら
良い試合をした後のいつもの癖。調子に乗りダラける者数名。
試合をしてるゴールのすぐ裏で座り込んでる者数名。
試合の邪魔してることに気づけない。
主審をしながら久保田キレる(汗)
2試合目はフレンドリーマッチ
vs Amanecer FC
(2-2 引き分け)
当然、試合もグダグダ。全く…
そんな、アップダウンの激しい一日でした。
まだまだです。もっと修行します。
夜は1月の県選手権の抽選会で海老名まで。
もうそんな季節…!早いなぁ。
クズな自分があれだけ走れた理由と、あれしか走れなかった理由
2019年10月19日、僕は長崎県の国境離島・壱岐島で行われた『壱岐ウルトラマラソン』に参加してきた。
自分はサッカーコーチ。マラソン含め陸上競技には縁もゆかりもない。もちろん今までマラソン大会に出たことなんてないし、人生で一番長い距離を走ったのも、おそらく10kmあるかないかくらい。いや、もっと短いかも。
「走る」ことに今まで一切関わりのなかったそんな自分がなぜ、いきなりマラソンに出る気になったのか。
今年の3月、知り合いの松井さんを訪ねて初めてこの島に来た。その時、僕はこの島の魅力にどっぷりと、そしてあっさりハマってしまったのだった。
https://note.mu/adlibler/n/nf8e699a17b02
また行きたい、あぁまた行きたい…という思いを日ごと募らせていた頃、
「お、10月に『壱岐ウルトラマラソン』ていう、島をあげてのビッグイベントがあるらしいぞ。そういえば松井さんも言ってたな」と、ふと思い出した。
このビッグイベントに乗っかって壱岐島また行っちゃおうか。
でもマラソンか… うーん どうしよ
マラソンなんて走ったことないし、走るの嫌いだし、走れるわけないし…
しかも100kmの部と50kmの部、これしか選択肢がない!
無理やん
てな感じで最初は全く参加する気もなかったんですが、ふと
「自分はこれまで、何かに挑戦したことってあったかな」という思いに駆られて。
普段、子ども達には「勇気を持つ」「諦めない」「チャレンジする」なんてことをよく言うのに、でも自分は何もチャレンジせず、傷つかない安全な場所と地位に守られながらそう言ってるだけ。
こんなの、ひょっとしたら俺が一番嫌っていた大人の姿じゃないか、と思えた。
普段、子ども達に偉そうに言ってる自分が、まずその自分が、身をもって何かに挑戦する姿を見せなきゃ、最高にカッコ悪いじゃないか。
自分が決めた「何かをする上での行動基準」は、カッコいいかカッコ悪いか、だった。
その瞬間、僕は壱岐ウルトラマラソンの申込み手続きをし、その日のうちに参加費11000円を振り込んでいたのでした。
まぁ、その後でやっぱり後悔したんだけど。
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申込みしてから大会当日までは数ヶ月。毎日走ってしっかりトレーニングすれば、ひょっとしたら50km完走もイケるやろと、当時はタカを括っていた。
しかし僕のことをよく知っている人ならば想像がつくだろうけれど、毎日走るとか、自分にはいかにも無理な話だった。
正直に言えば、夜、仕事が終わってから走る気力も体力も残っていない。これは毎日そう。その日の練習で、僕は結構心身ともに消耗してしまう。これは昔からだ。
ならば朝走れよ、と言われるけれど、朝苦手なのでやっぱり無理っす。
と、まぁこんな典型的な「明日やれることは明日やろう」マインドの人間に、毎日走るなんて修行めいたことを自分で課したのが、そもそも身の丈に合わない話だったのだ。
結局大会直前までの平均で言えば、走ったのは週に一度くらいの頻度。しかも一回2㎞とか。
それくらいの距離で、もう疲れちゃってた。
アカン。もう無理。こんなんで50kmとか、ただ恥を晒すだけじゃないか。
そういえば9月に受けた特定健診の結果がまだ出ていない。もしその結果の中に一つでも異常が見つかったら、それを口実にキャンセルしちゃおうか…
という感じでダメ人間丸出しで検診結果を待っていたのだが、大会の週になって病院から呼び出され、よし、なんでもこい!といろんな意味で意気揚々と結果を聞きに行ったら、病院の先生は開口一番にこう言った。
「はい、久保田さんどこも異常ないですね。稀に見る正常です!」
終わった。
その時点で、壱岐島行きをドタキャンする言い訳は全てなくなったのだ。
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壱岐島に行く2日前のジュニアユースの練習で、選手達からサプライズで寄せ書きのバンダナをもらった。
こんなの予想もしていなかったので、ほんとビックリしたよ。
『常時時速10㎞ 』笑
旅立つ前日の夜には、平塚のコーチ仲間・佐川さんが「パフォーマンスアップのために」と、知る人ぞ知る《畑中式テーピング》を施しに、横浜までわざわざ来てくれた。
しかもこちらから頼んだわけじゃなく、佐川さんから連絡をしてきてくれて。
さらに言えば、僕が壱岐島に行ってる間の試合や練習は、松永コーチや大和コーチ、早貴さんが代わって担当してくれることになってる。
ヤバい。つい数日前まで『頑張れない理由』『言い訳の理由』を探しまくっていたのに。
気づいたら、頑張れる理由が一気に出揃ってきたのだ。
ふぅ。これはもうやるしかない。トレーニングほぼしてないし50km完走はさすがに難しいのかもしれないけれど、でも、やれるだけやろうじゃないか。
身体中に張り巡らされている畑中式テーピングのおかげで、走れる気が一気に湧いてきたし。
「どうせ無理、たぶん無理、やっぱり無理」
自分の中に棲み続けていたこの言葉を、僕はその場で捨てて踏みつけた。
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大会前日。飛行機で福岡まで飛び、博多からフェリーで壱岐島へ。
フェリーから降りた途端にウルトラマラソンの関係者が出口に待ち構えていて、有無を言わさずバスに乗らされ、大会受付センターへの連行される。先導してくれたのが綺麗なお姉さんだったので、先頭でついて行った。
受付を終えて、この日はもう宿へ。
宿に選んだゲストハウス《LAMP》の雰囲気が最高で、これだけでもう、あぁ、やっぱり来て良かったなぁと感慨。
このLAMPは2018 年の「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」で特別賞を受賞したとか。築90年の旅館をリノベして、ゲストハウスにしたらしい。
ここでいきなりカミングアウトするけれど、僕の夢の一つに「将来ゲストハウスをやる」というのがある。その時のために、このLAMPはぜひ見ておきたい。泊まってみたい。そんな思いも、このLAMPを選んだ大きな理由だった。
LAMPオーナーの勢古口さんにはとても親切にして頂いて。
いろんな融通を効かせてもらったし、壱岐のいろんなことを教えてくれた。
こんなカッコよくてあったかくて、居心地のいいゲストハウスを、近い将来、大磯あたりでやりたい。
その想いが、ますます強まったのだ。
独身女性の皆さん、僕と結婚するとお洒落なゲストハウスのオーナーになれます。
lamp-guesthouse.com
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そしてついにスタート。ちなみにこの直前にカレー食べた。だってボランティアの中学生達が笑顔で「カレー美味しいですよ!」って勧めてくるから… ちなみにもちろん無料。そりゃ食べるよね。スタートしてからしばらくの間はカレーが抜けなくて後悔したけど。
胃の中のカレー風味と戦いながらも、スタートしてからは思った以上に軽快。やっぱりテーピング効果だろうか。そしてうちの6年生の陸上女子に教わった呼吸法のおかげか、予想以上にスムーズに走れて、良いリズムで入れた。
初めて海が見える場所に出たところ。一気にテンション上がった。
こういう長い道になると「マジか…」となるけど、それもまた壱岐島ならでは。そして平坦な道などほぼ皆無。平坦なのは港のそばを走る時くらいで、そこを抜けるとまたすぐにアップダウンが連続で続く、超ドSなコース設定。
でも、なぜか走れる。普段2㎞走ればすぐに横っ腹が痛くなって「もう今日はおしまい。明日からがんばろ」とクズ全開だった自分が嘘のように、まだイケる、まだイケる、おい、まだまだイケるぞこれ…という、それは自分でも、本当に不思議な感覚だった。
走れた理由・その①… たぶん畑中式テーピング効果。佐川さんLOVE!
走れた理由・その②… 約3㎞ごとに設置されている《エイドステーション》(給水所)の存在。これは本当に大きく、本当にありがたかった。
まず一番最初の給水所で食べた壱岐島産プチトマトの美味しさと言ったらもう…ただでさえエネルギーを欲しているところに、この自然の幸。塩をたっぷりつけて、たぶん5個くらい食べちゃった。一気に塩分&エナジーチャージ完了。
ちなみに僕は子どもの頃から干しぶどうが大嫌いで給食によく出てた干しぶどう入りのパンとか絶対に食べずに机の奥に隠してたんですけど、この給水所で食べた干しぶどうのおかげで、なんとこの歳になって生まれて初めて、干しぶどうを「美味い…」と思えた。ひとつ大人になった。
給水所のチカラはすごい。もしあの場所にピーマンや椎茸があったら、僕の好き嫌いはさらに解消されていたのに。
結局プチトマトはこの最初の給水所にしか置いていなかったのだけれど、給水所ごとに、様々なフルーツや食べ物が豊富に用意されていて。次は何が食べれるかな、という楽しみが、走れるモチベーションとしてかなり大きかった。
走れた理由・③… アミノバリューの絶大な効果。給水所ごとに置いてあるフードは違うのだけれど、どの給水所でも必ず水とポカリとアミノバリューは置いてあって。アミノバリューには絶大な効果があるというのは昔から知っているので、給水所ごとに、僕はとにかくアミノバリューだけを飲むことにした。
本当に効果絶大。もちろん疲れはそれなりには来てるんだけど、とうとう最後まで横っ腹が痛くなることも、息切れもしなかった。アミノバリューの効果、マジ半端ない。自分自身で実感した。来年から、夏の試合は必ずアミノバリューを用意してあげようっと。
走れた理由・④ これがいちばんの要因 … 人のチカラ。
島をあげての一大イベントだけあって、スタートから最後まで、とにかくずっと、沿道からの声援を受け続けられたこと。これが本当に本当に、大きな力になった。
参加者のゼッケンには、呼んでほしいニックネームと「どこから来たか」が書いてある。僕は当然「くぼっち」と書いてあって、その下には「横浜」と。
おじいちゃんやおばあちゃんが、手を叩きながら「くぼっちさん、頑張って〜」「くぼっち、ファイトじゃファイト!」「あら、横浜から来いさったん。遠いところありがとね、頑張って!」とかとか。
若い人や中学生、小学生からも「くぼっち!頑張れ!」
家の2階から小さい女の子が顔を出して手を振りながら「がんばれ〜」とか。
もう歩こう、ちょっとヤバい…となっても、30m先におばあちゃんが手を叩きながら応援してくれてるのを見つければ、そこでは走るのをやめられないじゃないですか。せめてあそこまでは走ろう、って本気で思えるし、不思議と、そのパワーが体の奥底から湧いてくる。
「くぼっち頑張れ!」と言われると、疲れていても「ありがとう〜」と返せるし、自然に笑顔になれる。そんな自分が不思議だった。とにかく人の姿を見たら、走るチカラがどんどん湧いてきたんだ。
人から応援されるって本当にものすごい力になるんだなということを、ここまで実感できたのは生まれて初めてかもしれない。
給水所でも、ボランティアの中学生達やおじさんおばさん達がみんな優しく声をかけてくれて。いくつもあったあの給水所、全てにもう一度帰りたい。
正直、20㎞も走るのキツいんじゃないか…と思っていたのに。予想以上に早く通過。
走る前から危惧していたのは、時間制限がある関門が設けられていること。50kmの部の第一関門は、32.5㎞地点。ここを、5時間半で通過しないと強制的にリタイヤさせられてしまうという関門。
でもまぁ正直…32.5㎞とか、そこに到達すらできないんじゃないか、と内心は思っていた。でも、20㎞を通過した時点で、まだかなりの時間に余裕があり。これなら、ここからペースが相当落ちたとしても、歩くことが多くなっても、32.5㎞にはイケるんじゃないかという欲と自信が、かなりのモチベーションと元気回復にまた繋がって。
でもさすがに20 ㎞を過ぎてからは1㎞1㎞がとても長く感じて、たった100mですらもう長く感じて、さらにはシューズが合わなくなってきて、右足の甲がすごく痛くなってきて。3分走って1分歩く、というペースに切り替える。その歩きの1分が待ち遠しくて…というローテーション。
右足の甲を庇ううちに足の裏も痛くなり、そのうち痛みがどんどん上がってきて、ふくらはぎ、太もも、さらには股関節も…と、悪循環で全身に痛みが蔓延してきてしまった。3分も走れない。1分走ってまた歩き、また1分走ってすぐ歩き…という感じになってしまって。
でもでも、まだ第一関門通過までには相当の余裕があるというゆとりもあって、気持ち的には全然イケてた。
おいおい、今までほとんど走ったことなかったのに、これ30㎞行っちゃうぞ、無理だと思っていた第一関門、イケるぞこれ、と。
そんなこんなで、26㎞くらいの場所にあった給水所。ボランティアの中学生達とこれだけ軽快にチャラつけるくらいにはまだまだ元気だった。髭、ちゃんと剃っておけばよかった。
彼女達、みんな良い子だったなぁ。「くぼっち!わたし従兄弟が横浜に住んでるよ。観覧車のそば」とか言われた。センター北かな
ついにきた30 ㎞…!
未開の地、30㎞を超えちゃえば第一関門の32.5㎞もあと少し。そして本当に本当に、制限時間よりも約1時間早く、32.5㎞の第一関門に到着した。
「よっしゃ〜、まさかここまで来るとは。これならもう、リタイアしても誰にも文句言われないし笑われないだろう。我ながら良くやったよ…」
という安心感が一気に出て、ホッとして。もちろんまだまだ進む気でいたし、次の関門地点、40㎞にもたぶんイケる。これ、まさかまさかの完走もあるぞ!
と、給水所の蜂蜜漬けレモンやおにぎりを食べながら、この第一関門でかなりゆっくりと休んだんですよ。椅子に座ってリラックスして、のんびりと。
まさか、それが命取りになるとは。
さ、じゃぁボチボチまた行くか、とこの第一関門の給水所を出発した途端、もう足がまるで動かなくなっていた。
走るなんて無理。一歩歩くごとに足に激痛が走り、地面に足をつくだけで「あんあぁっ…!」みたいな変な声が出ちゃうほどの苦しさ。時間をかけて休んだことで、筋肉が完全に固まってしまっていたのだと気づいた時には、もう遅かった。
これに関しては、本当に後悔している。さっさとまた走り出せばよかった。
第一関門から歩き始めて100mくらいで「これはとてもじゃないけど走れない。痛すぎて歩くのも辛すぎる。リタイアするか…」と心が折れた。それほどの、これまでの人生で味わったことのないくらいの、耐えられない激痛だった。
でも、道の途中で座り込んでもうずくまっても、救護班のバイクや車がいつ通ってくれるかは分からない。来ないかもしれんし、そういう姿を人に見せるのも恥ずかしい。住民の人に迷惑もかけてしまう。
だから頑張って、次の給水所までは何とか歩こう、と決めて歩き続けた。
ここからが、本当の地獄だった。
歩いても歩いても前に進まない。一歩ごとの激痛。1㎞ごとにある距離を示す旗の姿だけを楽しみに歩き続けるけれど、1㎞が、こんなに長いものとは。あの時は本当に、100m進むのにも10分くらいかかっていたと思う。
地獄の果てに辿り着いた、35㎞地点。次の給水所まで、あと700m。
そして
35.7km地点の給水所は、壱岐島が誇る絶景・錦浜の隣にあった。以前3月に来た時、その美しさに言葉を失ったほどの砂浜が、この日は俺の墓場となった。
ただただ無念。しばらく座り込み、なかなか言い出せず、ひょっとしてまたイケるか?と思って立ち上がってみても、もちろん、もうダメだった。全てが終わった。
泣く泣く、給水所の係のおじさんにリタイアする旨を伝え、迎えに来てくれた救護班の車に乗せられ、全身ガチガチの痛みに耐えながら、ゴール地点へと連れて行かれた。
あぁ、あそこであんなに休まなきゃよかった。後悔してもし切れない。
こうして、自身初のマラソン挑戦は美しすぎる砂浜の地で、幕を閉じた。
その夜は痛みで動けず。階段とかマジ地獄 of 地獄。シャトルバスで降ろされてもタクシー乗り場までは遠い。そこを100m30分くらいの亀のようなペースで歩く男の姿はかなり惨めなものがあったのだろう、全く見ず知らずの、通りがかった車の人が「マラソン出はったん?乗っけて行こうか」と、心配して停まってくれるほど。
この方だけでなく、寄ったスーパーでも、食事に入った居酒屋でも、店員さんがみんな心配してくれて、優しく声をかけてくれて、接してくれた。
自由に動けなくなり、痛みを知って、人の温かさを思い知る。これはこれで、幸せな体験だった。
壱岐島、なんて優しい場所なんだ!皆さんありがとうございました。
ちなみに翌日、フェリーで博多に戻った途端に階段では舌打ちされ、後ろから荷物で押されたりもした。あいつら一生呪い殺す。
大会翌朝。LAMPそばの漁港にて。
朝のLAMP。
皆さんも、壱岐島に行かれた際にはぜひLAMPへ。干物を自分で焼くスタイルの朝食も、本当に美味しいです。
https://www.shima-tabi.jp/blog/2018/06/21/
大会翌日のこの日は「玄界灘の宝石箱」と言われる、無人島・辰の島へ。
ここ、LAMPのすぐそばにある港から船で行ける。3月に来た時は島の周りを遊覧するだけだったけど、この日は遊覧ではなく、実際に上陸。
ここで3時間ほど、本当にゆっくり。誰もいない海に入って足を冷やして天然アイシング。こんなおじさんが、一人で綺麗な貝を拾うのに夢中になってしまうほどに、ここでは心が洗われた。元気もだいぶ回復した。足はまだまだ激痛だったけどね。
エメラルドの奇跡・辰の島は本当にお勧め。壱岐に行かれた際はぜひ。
この日の夕方、壱岐を離れる。
壱岐から博多へ帰るフェリーの中で遭遇した夕焼けは、これまでの人生でも体験したことのないくらいに美しく、幻想的なものだった。
僕はこの日の夕焼けを、一生忘れることはないだろう。それほどの美しさ。いろんな思いが相まって涙も出てきて。
結局この壱岐ウルトラマラソンで僕が学んだのは、人の温かさが人の力となり、人を動かす最大の源なのだということだった。
うわべの綺麗ごとはいくらでも言えるけれど、実際に自分が地獄のような痛みや疲れを味わってみたから尚更その有り難みを実感できたわけで、本当に本当に、心の底からそう言える。
人のチカラってすごい。もう少し言い換えれば、、人の優しさやあったかさを実感できた時にもらえる力や勇気って、本当にすごいし本物だ、ということだろうか。
それを自ら知れただけでも、壱岐島に来た価値は充分すぎるほどにあったんだ。
だから来年は支える側のボランティアとしてまた参加したいな、って終わった当初は思ってたんだけど、日が経つごとに
「いや、これ来年行ったら確実に完走できるっしょ」
ってチャラく本気で思えてきたので、やっぱりもう一度50㎞の部に挑戦することにした。
そんなこと言ってまたグータラと練習せずに行きそうだけど、実はもう走り始めてたりする。で、走るのが楽しくなってる!走っても走っても、なかなか疲れないし。35.7㎞まで行った自信と体感の貯金が、やっぱり効いてるのかなぁ。
来年、誰か一緒に行かない?
1年生、幸せなデビュー戦
11月10日(日)
LOBØS Juniors 1年生・デビュー戦…!!
(寒川町立旭小学校)
前週には3年生で呼んで頂いた寒川旭SCさんに呼んで頂き、この日は1年生が寒川まで。
寒川旭SCの寺坂さん、二週続けてありがとうございました!
この時期にデビュー戦って遅いじゃないかと言われそうだけど、できれば試合はなるべくさせたくないなって、この子達が園児の頃からずっと思ってたんですよね。
試合っていろんな相手がいるし、正直「こんなチームとは二度と試合したくない」って思える酷い大人がいるチームもたくさんある。もちろん、そうでないチームもたくさんいるけれど。
園児時代からずっと、サッカーは習うものではなく「しにくるもの」という前提でサッカーをしてきた彼ら彼女らを、できるならば「試合」という現場に出すことは、全然急がなくていいと思ってたので。
でもまぁさすがにそろそろ試合させてあげようかなと思っていたのだけれど、やっぱり「最初」って大事じゃないですか。
「最初の試合」で、相手の大人がギャーギャー煩くて、相手はサッカー教え込まれたチームで、ただただ嫌な思いだけして帰るなんてことだと、試合に対して嫌な悪い第一印象を持ってしまう。
だから最初の相手選びは超ウルトラ重要と思ってて。
そんな時に前週3年生がこの「寒川旭SC」さんにお呼ばれして初対戦して、久保田は行かれなかったのですが担当した松永コーチによると「とても雰囲気の良いチームでした」って事で、ならば1年生もお願いしよう!
という流れでした。
そしてその選択は、結果的に大正解でした〜。
案の定、いい意味でとってもノンビリとした試合をセッティングしてくれて。
ピッチサイズも、人数も、1年生というカテゴリーに柔軟に合わせてくれる。
こういうの当たり前のようで、そうじゃない人のほうがいっぱいなので…
とにかく8人制で!広いピッチでやって下さい!とか。
でも寒川旭SCさんは全然そんなことはなく、試合中のコーチングもポジティブでのんびりしたものばかりだったし、子ども達もただただ純粋にサッカーを楽しんでいる子達ばかりだった。
あぁ、このチームがうちの1年生達の最初の相手で良かったなと、試合を観ながらつくづく思ったのでした。
もう1チーム、鎌倉の山崎SCさんというチームも交えての三つ巴戦だったのだけれど、この山崎SCさんも、スタンスはまるで同じ。
大人ものんびり、子ども達は無邪気。
山崎SCさんの保護者の方々がピッチ反対側でたくさん観てて。だから最初は「あぁ、これは試合中に親達がたくさん声出しちゃう感じなのかな」と思ってたんだけど
・・・
なーんにも言わず。皆さんただただのんびりと、子ども達の試合を眺めて見守ってるだけ。
スバラシイ!
こんなチーム、なかなかないですよね。
大人の姿を見れば、そのチームのスタンスば自ずとわかるというもの。
そんなこんなで、とても良い雰囲気の中でデビュー戦ができて本当に良かった…という一日でした。
やっぱり、良い相手あってこそのジュニアサッカーなのです。
うちの子達も、最後は少し疲れが出てお疲れモードだったけれど、とってもよく頑張ってたし。
初ゴールも出て、良かった良かった。
お疲れさま〜
寒川旭SC、山崎SCの皆さん、ありがとうございました。
末長い交流のほど、是非是非お願いします。
ジュニアユースもU-12も、有意義な練習試合
11月9日(土)
【ジュニアユース 】ロボス・ラコリーニャス
vs FC Andro厚木
(富士通厚木グランド)
FC Andro厚木さんに呼んで頂き、厚木まで試合へ。
山間にある、とても雰囲気の良いグランドでした。また行きたい…
U-14としてのゲームは約ひと月ぶり。
その間しっかりとトレーニングしてきたことが、この日は充分に表現できていたような。
相手の速さは利用して、引きつけて、食いつかせてから背後を取る。ドリブルとインステップパス、ミラーパスを使いながら、ジワジワと前進していく。
良かったです。
この日は学校行事で来られない選手が結構いたので、LOBØSのU-12から6名招集。
その6名も、中学生のスピード感に戸惑いながらも自身の良さをちゃんと出せてましたね。ゴールを決めた子も、2人。
小学生同士でやる時よりも、ジュニアユースに混ざる方がやりやすい、と言う子も。
周りのサポートの質が高いし、良いパスも出てくるし、広い分スペースもあるし。
同じクラブ内にジュニアとジュニアユースがあるメリットを最大限に活かして、今後もこういう縦割りの交流はしていかないとなと、彼らのGood Playを観て改めて思ったのでした。
FC Andro厚木の皆さん、神宮寺さん、ありがとうございました!
また是非、お願いします。
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LOBØS Juniors U-12 vs FC南台
(横浜市立上大岡小学校)
午前中のジュニアユースを終え、午後は横浜の上大岡まで。
FC南台さんに呼んで頂きました。
味方へのサポートの大切さ。疲れてきた時に自分一人ではできないことを悟れるならば、味方に助けてもらうためにも、尚更まずは自分が常に味方と繋がり、味方の様子を察知して、素早くサポートしていく「癖」をつけないと。
この日は夜に用事があったので、松永コーチに任せて途中で抜けようかなと思っていたのだけれど、こちらの想定以上に「あ、この試合は大事だ。成長させる貴重な機会」と思ったので、結局最後までいることに。
実際、とても有意義な練習試合になった。やって良かったです。
そう思わせてくれるほどに、FC南台の選手達はとてもアグレッシブで、観ていて好感の持てるチームでした。
FC南台の皆さん、鈴木さん、ありがとうございました!
今後も引き続き、宜しくお願いします。
急いで帰った夜
高校時代の集まりに、大幅に遅刻して参加。
高校時代からの親友が働く、京王線・幡ヶ谷駅のそばにある老舗焼き鳥「鳥伊那」にて。
ここ、本当に美味しいので皆さん是非行ってみてください!