ロボスフットボールクラブ日報、週報、いや月報?季報?年報かも

横浜市で活動しているロボスフットボールクラブです。クラブのスローガンはSUSTAINABLE FOOTBALL。好きなサッカーを長い人生で、ずっと楽しんでもらえるように。横浜/保土ヶ谷/旭/戸塚

僕らはスイミーになる

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11月3日(文化の日

3年生『小和田湘南杯・U-9』

茅ヶ崎市立小和田小学校)


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この日の私のテーマ

「ゆっくり、にっこり、smile」

(実現できたかはかなり微妙)


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相変わらず試合の入りは悪く。でもこの日は徐々に徐々に、皆が試合に入り込んでいく姿がありました。


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左サイドで仕掛ける


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ゴールを決めてクリロナする人

動画はこちら

↓↓

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自分達での試合。その「つもり」が、試合を重ねるにつれて芽生えてくる。

ボールを持つ者だけが主役で、他はそれを眺めてるだけ…になりがちなのが低学年のサッカー。

そこから、実は主役は次にボールをもらう俺、いや、今アイツの代わりに俺が守備しといてあげる、という子までも表れ始めて、全員が主役になれる。それができれば、中学年年代の仲間入りだ。

できなくてもいい、その意識が出てくれば、それがすれ違いでもやり過ぎでも例えミスに繋がろうとも、構わない。

ようやく、その意気が出てきてる子が多数。もちろん、まだ全員ではないけれども。

 

受け手こそが主役。それが、スルーパスへのトライとなって表れる。

彼らの試合で初めて、スルーパスが自然に出てきた。羽根が生えた…!

動画をチェケら

↓↓

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3戦全勝同士、優勝決定戦。


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この日の全試合で、自主的にセンターバックを務めた彼。

前回の試合時にこの学年のキャプテンとなることが決まり、その自覚からなのか、それとも彼本来の責任感なのかは分からないけれど、この日の彼のフットボーラーぶりは、それはもう…男の僕から見ても惚れ惚れするものでした。イケメンすぎるわアイツ…

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結果的に4戦全勝で優勝。色々あったけど、みんなよくやったなー


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表彰式。新キャプテンの出番。挨拶はキョどりまくり。

 

https://www.instagram.com/p/BpvDH_EhaWk/

先月の試合で試合中にゴールマウスを放り出して駆け込むというスーパーアドリブを見せた人(8歳男性)が、なんとこの日は全チームを通じて表彰される「大会最優秀GK賞」を受賞…

人生、何がどうなるかわからんw

 

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そしてこの人が大会最優秀選手。4試合で19点取ってた。

(後ろにいるのが新キャプテン)

 

確かに点いっぱい取ったけど、守備をしないから僕に一番怒られていた人でもあります 笑

誰のおかげで、お前が自由にすいすいドリブルできると思ってんだ、と。

 

でも、こういう規格外の選手にどれだけ大人が触るか、というのは永遠のテーマでもあるんですけどね。触りすぎると、才能はあっという間に普通になってしまうし。

 

ただ

先ほどのスルーパスの件で書いたこととも繋がるけれど、誰か一人がスーパーで、目立って、何でもやって…というのは低学年までの話。

そこから先は

チームでサッカーをすること、そしてその中で味方とどう合わせ、自分をどう出して、どういう風に自由を表現していくか、という禅問答に入っていく。

 

サッカーはチームでやるもの。味方の中でやるもの。

それを頭と心で理解した時に少年は大人になっていくし、少しだけ逞しさを増し、友情の意味も知る。

 

この試合の前に、某氏に教えてもらった「スイミー」という物語。

学園祭でこの「スイミー」を題材にゼミ展をするという彼女に教えてもらうまで、僕はこの物語を知らなかった。でもこれ谷川俊太郎さんが翻訳もしてる有名な絵本で、今の子達は小学校の国語の時間で習うんですね。みんなに聞いたら、やっぱり「知ってる」って言ってた。俺だけが知らなかった 笑

 

youtu.be

 

スイミーは仲間と一緒になって海を泳ぐ。自分だけが黒い魚で、仲間はみんな赤い魚。

巨大な敵に立ち向かうために「みんなで大きな魚の形をつくって、まるで一匹の大きな魚のようになろう、黒い僕は、みんなの目になる」

超簡単に言えばこんな物語なのだけれど

 

サッカーのチームも、スイミーそのもの。

そんな話を、試合の合間や試合の後、子ども達にも話した。

 

誰か一人だけが主役なのではなく、みんながみんな必要な存在で、誰か一人でも欠けたら成立しなくて、お互いがお互いの特徴や良さや足りないところを理解して、受け入れて、その上で一緒になって何かに立ち向かい、何かを成し遂げる。

 

あいつが一日で19点取ったのも

センターバックの位置で、相手のロングボールや早い抜け出しを食い止め続けてくれたキャプテンがいたからだし

左サイドで、ボールを一ミリでも前に運ぼう運ぼうと積極的な仕掛けを続け、相手を間延びさせてくれていた選手がいたからだし

中盤の位置で、相手の攻撃の芽を潰してくれていた選手達がいたからだし

ドリブル突破の連続で疲れ果てたあいつの代わりに、さっきまでトップの位置にいたはずなのに、気づいたら真っ先に最後方まで帰って守備をしてくれていた彼の親友がいたからだし

 

勝戦、優勝を決定づけるゴールを生んだのは

今まで僕に「前の位置ばっかりにいるな。おいしいとこだけ持っていこうとしすぎ」と言われることの多かった子が、自陣の深い位置まで相手を追い、ボールを奪い、そこから2人かわして最後は絶妙なタイミングで19点のあいつに最高のパスを出してくれたからだ。

 

そしてそんなみんなが、あいつのゴールのおかげで19回も喜んだ。

 

誰が一番偉いわけでもなく、誰がこのチームのエースとかいうことでもない。

皆がこのチームにとってのスイミーであり、同じ船に乗るONE PIECEだったということ。

 

彼ら彼女らの心の中に、チームでサッカーをする意味が少しだけでも伝わったような気がした、良き一日でした。

そしてこの試合の前に、スイミーのことを教えてもらってよかった。ありがとう。

 

主催して下さった茅ヶ崎小和田FCさん、対戦して下さったチームの皆様、ありがとうございました!