ロボスフットボールクラブ日報、週報、いや月報?季報?年報かも

横浜市で活動しているロボスフットボールクラブです。クラブのスローガンはSUSTAINABLE FOOTBALL。好きなサッカーを長い人生で、ずっと楽しんでもらえるように。横浜/保土ヶ谷/旭/戸塚

拘りは捨てず、柔らかく冷静に。闘争心はいつ出すものか

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11月17日(日)

【ジュニアユース 】ロボス・ラコリーニャス 

U-13リーグ・2ndステージ 第1節

 vs 横浜ミラオーネ

横浜市東戸塚小学校)

 

神奈川県・U-13リーグ。9月まで続いた1stステージを終え、グループが新しくなって今日から2ndステージが開幕。

 

この2日前、練習の後に選手達に対して30 分くらい話をした。
・どうせサッカーをするなら
・このクラブでサッカーをするなら
・3年間の意味
・美しさに拘ることの大切さ


みたいなこと。もちろん選手個々で捉え方や考え方は様々でいいのだけれど、久保田はこう考えていて、最低限譲れないものはこういうことだというのを、寒空の中で「こんなの初めて」というくらいに、彼らに対して話をした。


特に熱を込めたのは 美しさと拘り の部分だった。
サッカーには、勝敗よりも大事にしなければいけないものが間違いなくある。いや、そんなものはない!勝敗が全てだ!という人やクラブもいるかもしれないし実際そういう人は多いのだけれど、少なくとも俺らはそうじゃない。


勝敗よりも大事なもの。絶対に捨ててはならないもの。
それは何なのかということを、クラブのアイデンティティーとして選手 ⇄ コーチの間で共有していたい。「クラブ」とは、そういうもだと思う。


拘りを持って美しさを追求しながら、なりたい自分になるためにサッカーをし、味方と繋がる喜び、味方と喜びを共有する喜びをサッカーで知る。

そして、自分らの試合を観てくれた人達の記憶に残るようなサッカーを表現する こと。

 

そんな話をした後での、この日のゲームだったのです。


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対戦相手のミラオーネさんはよく訓練されたチームで、1stステージでも同じグループだったので対戦もした。春、1stステージ最初のゲームだったと思うけれど、あの時はこちらが勝手に自滅、そして相手の速い展開についていけず、確か0-4で敗れてる。自滅するということは共有するものがなかったという裏返しでもあるのだけれど、今はそれがある。

だからあの時と比べてどれだけ差を詰めているのかを測る意味でも、楽しみなゲームだった。

 

前回とは雲泥の差で、試合の入りは最高。予想通り相手は前から圧力をガンガンかけてきて、ガンガンと速く展開しロングボールも交えて攻め込んでくる。

でも試合前に共有していたこととして「相手の速さは利用する」というフレーズがあった。これを選手達が上手く体現し、kickoffから続いた怒涛のプレスにも焦らずに対応したまま数分が過ぎた。

 

この数分で

あぁ、この試合は確実に良い試合になる、と確信した。

 

しかし

ロングボールの処理を誤り失点、届かないところに突き刺すスーパーなミドルを2つ決められ、前半で0-3。

でもでも、その失点はたぶん「背が大きくなれば解決する」問題。

もちろんそれ以外にも要因はあるのだけれど、彼らに対して悲観的になるものでは全くない。だから僕がベンチから出した声は「大丈夫!」だけだった。

この日はいつになく、自分もポジティブでいられた。ユンケル2本飲んだ効力だろうか。

 

ボールを持ったら「ゆっくり」「いなす」

そして大事なのは「やわらかく、冷静に」やること。

この「やわらかく、冷静に」というのは僕の最近のキラーワードなんだけど、本当にこれ大事。

ガツガツ頑張ったら技術がブレる。判断を見誤る。脳が働かない。

 

やわらかく、冷静に。やわらかく、冷静に。相手を見極め、ギリギリでいなしながら、じわじわと前進していけばいい。

そしてこの日は中盤をダイヤモンドの4人にしたのだけれど、とにかくこの4人でボールを失わず、そして遊びまくれと。相手のペースに引き込まれたら負け。こちらの土俵に引きずり込むこと。

 

特に某ふたり、解放されたように楽しみまくってたな…笑

最高でした。

 

闘争心を出すのはルーズボールの奪い合いと、相手のシュートチャンスの時だけ。これも試合前に共有していたこと。

いつでも闘争心を出していたらガス欠するし、そんなものは本当の闘争心じゃない。

本当に必要な時にとっておく。そして必要な時に、一気に出す。それが闘争心だ。

 

まだ闘争心はいらないぞ

そろそろ闘争心出す準備!

今出せ!

 

そんな指示ばっかりになってしまったけれど、この年代の選手達には、こういった「気の持ちよう」というか、気持ちをどう持ち、いつどのように出すかということを伝えてあげるのは、かなり重要だと思ってます。精神論とは、全く別のものだし。

 

大事なところで闘争心を出した彼らは最後まで体を張り、勇気を持って前に出て、後半は相手にゴールを許さなかった。

GKのスーパーセーブも、数回飛び出した。GJ。

 

スタメン11名中、小5が3名。後半は5名。「ニコウエ」の相手にも臆せず対応し、余裕を持っていなし、時には牙を剥いて向かっていき、時には股を抜き、時には空中に浮かせて抜いていく。そして時には2人の間を割って抜いていくサイドバック

こちらの想定を上回る彼らのそんな表現も、この試合を語る上では欠かせない。本当によくやった。

 

後半はさらにうちのペースになり、ボールを握る時間も逆転した。何度かシュートチャンスは作ったが、残念ながらノーゴール。

 

そのまま0-3でタイムアップとなったけれど、収穫たっぷり、そして彼らの拘り、勇気、遊び心もたっぷり、そして美しさを求める姿もたっぷり見られた、本当に良い試合でした。


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この日は午前午後と小学生の試合をハシゴして、さらにはこの夜の激しい試合。

疲れ果てたけれど、どこか爽快感のある疲れ。彼らのプレーぶりと、ユンケルのおかげだなー。

 

次のゲームがさらに楽しみになった!

対戦して下さった横浜ミラオーネさん、ありがとうございました。

 

【追記】

《観ている人達の記憶に残るようなサッカーを表現する》

というフレーズを使いましたが
せっかくなので「記憶」について、普段、彼らによく言うことも付け加えておきます。


《観ている人の記憶に残るようなサッカーをする》という拘りと相反するようだけど、彼らにはいつも「サッカー知らないおばちゃんが観ているとして、そのおばちゃんの記憶に何も残らないような《さりげない技術》はすっごく大事」と言ってる。

 

ドリブルで相手を抜き去る、股抜き、エラシコヒールリフト

綺麗なスルーパスを通す、豪快なシュートを決める

 

これら全て、サッカー知らない人に対してはとてもキャッチーでわかりやすくて、もしかしたら一週間くらいの記憶には残るプレーじゃないですか。

でも、そうじゃなく「ほとんどの人が見過ごす、見逃す、気にも留めない」ような「さりげない」技術や気配りなどが、実はとても大事なんだぞと。

 

1stタッチでの些細な駆け引き、立ち位置の調整、重心移動

動き出しのタイミング、動き直しの妙

相手の動きを見切って、さりげなく1タッチで落とす判断とか

その他、例をあげたらキリがないけれども、人の記憶には、あまり残らない。

でも、超大事でしょ。

 

野球で「ファインプレーに見せないのが一番うまい」とかよく言うじゃないですか。

そんな感じかな。

 

美しさや拘りを求めることと同時に、こういうことも、サッカーに必要なことを学ぶ大事な3年間を過ごす彼らには、並行して伝えていかないといけないと思ってます。

 

ロボス・ジュニアユース 〜 2020年度・新入団選手募集に関して

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