大切なことを教えてくれるのは
最近、卒業生の早貴がよく練習に来てくれる。
昨年の低学年合宿も手伝いに来てくれたり、こうしてまた普段の練習にも来てくれたり。
彼女に限らず、卒業生たちがこうして帰って来てくれるというのは自分にとって一番嬉しいことだし、クラブにとっても、彼ら彼女らが帰ってくる、そんな場所を維持し続けていくことが、まず最優先のミッションなのだとも思う。
自分の教え子に子ども達のゲームを任せ、自分は掃除をしながらその光景を眺めている。
なんて幸せな瞬間なんだろうと思う。
彼女の代(クラブ6期生)は、目に見える結果という意味では一番「結果を残した」代だったけれど、今思えば、あれほどのポテンシャルがあった子達だったのだから、今の自分ならばさらに良い思いをさせてあげられたとも思うし、逆にまだまだ青すぎた未熟な自分だったからこそ、あの子達の個性やナチュラルさを削らずにいられたのかなとも思う。
結局、パラレルワールドのことは分からないっすね。
「最新の自分が最高の自分」だから。あの頃はあれが自身の最高だたったし、あれ以上のアプローチはきっとできなかった。
、、、と、思うことにしよう。
高学年のゲームに混ざった彼女は、左足での見事なシュートを何本も放つ。うちにいた頃は、左足なんて赤ちゃんそのものだったのに。
進学した湘南学院高で、レギュラーとして全日本高校女子サッカー選手権やインターハイにも出場した。2014年のインターハイでは全国3位にもなった。湘南学院では左サイドをやることが多かったから、きっと苦手な左足をたくさんたくさん練習したんだろう。それを想像しただけで、単純なおじさんはついつい泣きそうになってしまう。ホウキ片手に。
先輩が後輩たちに混ざって、ゲームの中で、言葉以上にそのプレーで「大切なもの」「大切なこと」を伝える。
それがクラブの伝統になっていくのだろうし、クラブの血、クラブの色にもなっていくんだろう。
そして技術的なこと以上に、彼女が小学生時代からずっと変わらないこと。それはとにかく
「楽しそうにプレーしてる」ってとこ。ゲーム中、アイツはしょっちゅう笑ってる。
結局一番真似してほしいところ、つまり一番大切なことって、こういうところなんだよね。
そんな姿を僕にも見せてくれるから、日々の練習や試合に追われ過ぎて、つい忘れかけてしまう大切なものを、思い出させてくれる存在でもある。
大切なことは、先輩が全て教えてくれる。
大切なことは、教え子が全て教えてくれる。
そういうクラブにしていきたい。