【 夏合宿報告 ① 】U-11・尾瀬合宿 〜 サッカーを知り、当たり前を磨くこと
7月25〜27日(水〜金)
ロボス・ジュニオルス《 U-11 尾瀬合宿 》
泊まったペンションで、朝食に出された目玉焼き。人によって目玉焼きの食べ方は違う。塩をかける人、醤油をかける人、ソースをかけたい人、様々。
周りの白身から食べていき黄身だけを残し、最後に黄身をまるごとパクっと食べる、もしくはご飯の上に乗っけて食べる。これは僕と松永コーチの食べ方だったのだが、今回の合宿にスタッフとして帯同した卒業生・早貴(クラブ6期生)が、それに異を唱えやがりまして。
いやいやこれ普通やろ、と思いながらも早貴の食べ方を見ていたら、ヤツは半熟の黄身の真ん中に箸で穴をあけ、黄身の形が崩れない程度に絶妙なチカラ加減で半熟をグジュグジュっとして、そこに白身をつけて食べていた。
OMG!そんな食べ方をする人初めて見たよ、それこそおかしいやろ!とその場では言いつつも、合宿から帰って来た後、その食べ方を試してみたら … めちゃめちゃ美味しかった(笑)
つまり何が言いたいかというと、人によって「当たり前」は違う。これが常識、当たり前だと思っていても、人によってはまるで非常識だったり、想像外だったり、受け入れづらいものが多いかもしれないのだけれど、でも、、
案外、自分の理解や経験のキャパを超えることって、人に言われて試してみたら、意外とハマったり、すんなり「あ、いいじゃん」てなることも多い。
だからまずはやってみること、そして自分の「当たり前」の数やレベルを上げていくことは大事だよねと、朝のペンション目玉焼き論争から学んだのでしたw
しかし、早貴に厳しく注意された「何にでも塩をかける」僕のこだわりだけは、どうしても譲れないのだ(不健康)
まぁそれはともかく
この「当たり前」という言葉は、今回の合宿の重要なテーマの一つ。詳しくはラストのほうに。
そんな目玉焼きマスターの早貴ですが、期間中ずっと、自らのカメラで子ども達の写真を撮ってくれていました。
そして彼女が撮ってくれた沢山の画像を、あるお父さんがGoogle Photoでアルバムにして公開してくれました。ぜひご覧下さい。
↓↓
U-11・合宿アルバム
https://photos.app.goo.gl/mDwYrnEL6GG6HRRz9
さて本題。2018年・夏休み合宿の第一弾は、そんなU-11(4.5年生)による群馬県・尾瀬合宿。
3日間通して行われる大会に出場する、いわゆる大会合宿でした。
会場は武尊高原の片品村。ここ、昔よく来たんですよ。まだ自分でクラブを立ち上げる前に東京の某サッカークラブで働いていた時は、毎年ここに合宿に来てた。当時この一帯は「チロリン村」と呼ばれてたんだけど、今でもそう呼ぶんだろか。
初日、この《チロリン村》の山道を走りながら思わず懐かしさに耽っていた僕でしたが、耽ってる間に思いきり道に迷い、通った道を何度も行き来して、ようやく会場のアルモンテスポーツパークに到着。初日からいきなりの珍道中で、合宿がスタート。
今回のテーマは「サッカーを知る」こと。このテーマをターゲットにした取り組みは、7月上旬に行われた大会 からもう始めていたのだけど、試合漬けとなる今回の3日間で、その取り組みをさらに本格的にトレーニングしたいなと。
10歳を越えたのならば、サッカーではもう子どもから大人への階段を上がり始める時期。味方の中でプレーしなければいけない「サッカーの本質」を理解し、踏まえ、その中で、自由の本当の意味を知る。
技術は武器。武器は人のために使うもの。武器はひけらかさないモノ。でもいざという時のために、日頃の鍛錬は欠かさない。刀を使わずして勝つには?そしていつ、その刀を抜くのか。
それを試合の中で自ら見つけ、チームで話しながら見つけていく。
でも時には大人の力も使って教え、時には叱り飛ばしてでも叩き込む、3日間の中では、そういうシーンもありました。
カギは試合前のアップから。普段からウチでは試合前にアップなどはしないのだけれど、この合宿からは半ば強制的に、ドリブルトレーニングを皆で取り組んだ。
それはチームで揃って行うのではなくそれぞれが個々で取り組むものなのだけれど、このドリブルを行う時に頭の中は何を描いていて、心では何を思っていて、身体はどういう反応を見せていくのかが大事。そこで妥協せず、自身の頭の中と心を磨いていく。
頭の中と、心の中。ドリブルをしているように見えて、実は
試合でドリブルは多用しないけれど(他よりは多用するけど)でも試合前は、ドリブルを練習する。
この矛盾の意味を分からない大人は多いのだけれど、うちの10歳、11歳はもう分かってきた。
結果、この3日間で彼ら彼女らの頭と心の中は一つ上のステージに上がり、味方に合わせ味方を活かす懐の大きさも加わり、チームの中で自身の技術をどう使うか、どう振る舞うか…というフットボーラーとしての標準装備力が、全体的にかなり上がったと思います。
ベンチでも一緒に戦う
徹底的に崩す
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今回の合宿、もう一つのテーマは
「当たり前を磨くこと」
冒頭でも紹介したように、クラブ卒業生・早貴(大学3年)も今回はスタッフとして参加。12年前の夏、彼女が小3の時にうちに入ってきてサッカーを始め、そこから紆余曲折ありながらも高校で全国大会に主力選手として三度も出場した裏物語を、2日目の夜に、あえて僕から子ども達に聞かせ。
派手でキャッチーな技術よりも、本当に必要とされるのは、必要なことを、普通にさらりと、それこそ「当たり前」のように出来ること。それらを全て総して僕は普段から「当たり前」と言うのだけれど、その「当たり前」を自分の意思で磨いたからこそ、彼女は大成したわけで。
当たり前を磨くことの大切さ。ピッチの内外を問わず。
この合宿を機に、あの子達の胸に刻み込まれるキッカケになってくれたら嬉しいのだけれど。
クラブの色やDNAみたいなものがあるのだとしたら、それは選手そのもの、卒業生達そのもの。だからこそ、今回のように卒業生がこうして協力してくれて、子ども達に大切なものを伝えてくれる役割を担ってくれるのが、僕は何よりも嬉しくて。クラブはこうして継承されていくのだと思うし。
その意味でも、何年先にもずっと思い出に残りそうな、とってもとっても良い合宿でした。
そして初日の夜、コンビニに買い出しに行こうと思って車を発車させたはいいけどペンション駐車場の出入口を間違えて結構な段差から降りようとしてしまいそこに見事にハマり、タイヤは回らず車体の左側は土の中にめり込んで完全に抜け出せなくなり、みんなで押しても引いてもウンともスンとも言わないのであーこれはもうJAF呼ぶしかないか、でもこんな夜にこんな山の中に来てくれるんだろうか、最悪の場合この車を置いて横浜に帰らなければならないかも、その場合どうやって子ども達を返せばいいかな…と焦ったものの、宿のご主人がお仲間から牽引ロープを借りてきてくれて何とか車を土の段差から引っ張りあげることに成功、もう何度も何度もお礼を言っても言い切れない!と安堵したのも、今となってはとても良い思い出です(マジ焦った)
スポーツマネジメント白井さん、ペンショングリーンフィールドさん、そして対戦して下さったチームの方々、ありがとうございました!
尾瀬、快適すぎたのでまた行きたい!
松永コーチによるレポートはこちら