この子達が大切なことを教えてくれるかもしれない
6月9日(日)
LOBØS Juniors U-8『レコスリーグ』
(東京横浜ドイツ学園)
試合に行けば負け、しかも大敗…昨年からずっとそんな感じだったこの2年生たち。
そんなこの子達が、今年度になり、一戦一戦確実に成長してる。この日は特に、進歩が顕著に見られた。みんな本当に頑張ってたな。2試合やって、1勝1敗。
前回の反省(少し多くを要求しすぎた)から、この日からはもう割り切って、良い意味で
「多くを期待しない」ことにした。
これだと何か誤解を招く言い方かもしれないけれど、それぞれにそれぞれなりの「得意分野」があり、それ以外のことまでもアベレージ的に要求されたってそりゃ頭も体もノッキング起こすよねと、前回は結構反省したんです。
全く走れないし相手ボールにも全然寄せに行かない、でもキックには自信を持ってる子がいて
今日、その子には「守備しないでいいから、とにかく前の方でダイレクトシュートを狙っていてくれればいいよ」と。
またある子には「攻撃一切しなくていい。でも、君は後ろに下がって相手FWに気づける能力があるから、とにかく守備やって」とか。
他のことは求めない。そうすれば、こっちもイラつく必要もない。だってそういうものなんだからと割り切っちゃえ。
で、そういうスタンスでピッチに送り込むと…
不思議なことに、前回までは全く相手ボールに寄せにすら行かなかった子が、
前でシュートだけ狙ってればいいよって僕から言われた子が、そのうち自然に守備のために下がるようになったり、相手ボールを追うようになったり。
「君は守備だけしてくれれば充分」と僕から言われた子が、気づいたら、相手ボールを奪って自分で果敢に攻撃参加をし始めてる。
ドリブルも、試合の中でちょっと上手くなってる。
不思議なもんだよなぁと、毎回思うわけです。何か一つの自信を得ると、その自信を得たもの以外にも、子ども自らが勝手にチャレンジするようになる。
これは昔からの経験で知っていたことではあるんだけど、僕ら大人はついつい忘れて、ついつい子ども達に「あれもこれも」求めてしまう。
結果、彼らを追いつめてしまうこともきっとたくさんある。
だから、たまにこうしてふと思い返すことは必要で
そして思い返して思い出して、あぁ、多くを求めすぎると結局何も得られないということに気づく。
何か一つだけでいい。何か一つを期待され、何か一つだけでも自信を得れば、子ども達って、そこから勝手にグイグイと自分で他のものにも手を出していくものなんですよね。
これも全て、子ども達が教えてくれることだ。
このレコスリーグ、U-8カテゴリーはすでに来年の2月までの試合スケジュールが決まってる。
何でこんなにふわふわしてるんだ、この子達を成長させるのはなかなか至難の業だぞ…と思わせられていた(勝手に思っていた)子達だけれど
ひょっとしたら
一年間を通して、一戦一戦、とても大切なものを僕に教えてくれる存在になるんじゃないか。
試合のたびに、僕も彼ら彼女らと一緒に成長できるんじゃないか。
この日を彼らの試合ぶりを見て、素直にそう思えたのです。
育成は奥が深い。自分はまだまだ浅い。子ども達と一緒に頑張ります。