愛されるという勝ち方
9月7日(土)
【ジュニアユース】LOBØS.FC.ラコリーニャス
U-13リーグ
(上平間サッカー場)
午前中のU-12トレマッチを終え、U-13に合流させるU-12の選手3名を乗せ、川崎市の上平間サッカー場へ。
お初のグランド。神奈川にはまだまだいろんなグランドがあるもんだなぁ、と。
U-13リーグ、1stステージもあと3戦。この日の相手はお初の相手。
正直、前半の入りはあまり良くなかった。意図したわけではないんだけど、相手に対して、こちらあまり前から行かず。別に行けなかったわけでもないし怖がったわけでもないんだけど、別に最初からガンガン行ってもしょうがないっしょ、とも思うし。
まぁそれでも、思ったよりは入りが良くなかった。
全部を詳しくは書きませんが、そんなうちの選手たちを見て、相手の監督さんからの口撃が始まり。
「相手に合わせんなよぉ」
等々、これはまだソフトなほうだけど、まぁ…他にもいろいろとひどいことを結構言ってきた。
まぁ、色んな人がいるもんだ。いつもならそんなこと言われたらめちゃギレする僕ですが、この日は穏やかにいようと決めていたので、ずっと我慢してました。
ハーフタイム。
「相手はバルサみたいなサッカーをしたいんだと思う。ユニもバルサそのものだし、4-3-3だし」
「でも、残念ながらバルサでもなんでもないし、メッシもブスケッツもいないし」
「ベンチに座ってる監督も、残念ながらグァルディオラでもなんでもない」
「だから何ら怖がることもないし、臆せずやればいい」と。
そしてこの日は前半途中から、主審の方が、相手のファールに対しかなり厳しく、正直いうと結構うちに有利な笛を吹いてくれていたような気がした。気がしてた…ではなく、たぶん本当にそうだった。
「主審に文句も言わず、相手ベンチの声にもイラつかず、ひたむきにプレーし続けた君たちが、きっと色んな人の心を動かしてる。
だから自信を持って、このままやわらかく冷静にプレーしよう」と伝えました。
後半。残念ながらスコアはひっくり返せなったけれど、それでも、彼ら一人一人のプレーに対する姿勢や表情、実際の戦いぶりは、これまでで間違いなく一番のもの。
闘争心を秘めながら、でも、やわらかく冷静に。でも、やっぱり最後は闘争心なんだよね。
意地があるならぶつけるべきだし、悔しいのならばプレーで返す。
軽いプレーでいつも僕に言われ続けてる某やんちゃな男が、この日は最後までドリブルで相手を引きずり倒し、守備にも一目散に帰り…と、自分がチームの中心になるんだという姿勢を、そんなパッションをピッチ上で表現し続けてた。それでいいんだ!
負けたけれど、最後まで試合を捨てず、そして自分たちの大切にするものを捨てずに意地を見せて戦った彼らを、こんなに誇りに思ったことは今までなかったです。
主審の方も、後半はより一層、うち贔屓に吹いてくれてたような(気がする)
あくまでも、そんな気がする…だけですけど。
人の心を動かすことって、きっとあるよね。僕はそう思います。
ただ試合に勝つよりも「愛されるという勝ち方」のほうが、よっぽど難しい。
この日の彼らは、それを少し体現してくれていた。だから、僕は嬉しかった。
しかし最後にひとつだけ。
後半、思い通りにいかないことに苛立ったのか、相手の監督さんはついに
「目指してるところが違うってことを見せてやれよー!」とまで言ってきた。
この言葉だけは、どうしても許せない。うちの目指してるところなんて何も知らない、何も見えてないくせに。
よくこういうことを平気で言えるよな、と。こんな人のことは、自分は心から軽蔑する。
別に、誰とでも仲良くなろうなんて思わない。
この日は、昨年急逝した教え子の命日、一周忌。だから何があろうと、何を言われようと、穏やかでいようと決めていた。
伸哉に感謝しなきゃな。