鋸南町に行ってきた
この街は合宿で何回も来ているから、とてもお世話になっているところだ。
普段、選手たちに
「フットボーラーは社会とつながっていないといけない」
「衝動で動け」
と言っているから、自分がまずはそれを実践しないと。
知り合いもいるし、本当に、ほぼ衝動で来てしまった。
鋸南保田インターを降りたら、急に世界が変わったよう。青い屋根(ブルーシート)の家がたくさん。思った以上に深刻。
人気スポットの「道の駅・保田小学校」は施設が破損し営業していなかったし、道には瓦礫とゴミの山が溢れ、家の修繕作業や瓦礫の除去の作業をされているお年寄りが多かった。
ようやく鋸南町のことは報道もされてきているけれど、それでもまだまだ少ない。そして、その報道だけではわからない現状がたくさん。やはり、来てみないとわからないことがたくさんあった。
何度も宿泊した「サンセットブリーズ保田」にもお邪魔し、わずかながら物資をお届け。
職員の皆さん総出で作業に当たっていて、ここでは、地域の皆さんに炊き出しも行なってるらしいです。
サンセットブリーズでは昨日から電気も通り始めたとのこと。
「今日からようやくみんなの顔が明るくなった」と話してくれました。
来週から営業再開できるよう、頑張ってるらしいです。
町を回って見て、そして話を聞いた感じでは、一番必要なのは作業に当たる人手なのかも。
それでも、サンセットブリーズ近くのスーパーにはほとんど何も商品置いていなかったし、入場制限もされていて行列もできていたから、リアルなところは正直まだわからないんだけど…
サッカーファミリーのみんな、南房総は何度も来てる人多いですよね。それぞれが出来ることで応援しましょう。
最新の自分が最高の自分
9月8日(日)
【ジュニアユース】LOBØS.FC.ラコリーニャス
U-14リーグ vs 伊勢原フォレストFC
(伊勢原市立石田小学校)
ジュニアユースを立ち上げてから1年半、連盟に加盟し公式戦に参戦するようになってから5ヶ月。
この日のゲームが、彼らのこれまでの中で、間違いなくベストゲームになった。
試合の入りも過去最高。ボールを繋ぎ、崩し、いなしながら、奪われても2人ですぐに回収し、合宿でも徹底した「狭さをつくって広く思い崩す」ゲームモデルが自然に表現されてる。
彼らのゲームでこんなにワクワクしたのは初めて。楽しかった!
相手もめちゃ好チーム。リーグ初戦では、0-4で完敗した相手。だからきっと押し込まれて、こちらが数少ないカウンターの機会を狙う展開になると思っていたのだけれど、そに真反対の展開になった。
まぁ、そのカウンターでやられちゃったんだけども…汗
しかし、本当に素晴らしいゲーム。0-2から1-2と追い詰めた後半のゴールはお見事だったし、最後の最後、同点に追いつこうと前がかりになったところをカウンターで仕留められて1-3となったけれど、そのゴールはうちの某1年のオウンゴール。
あの時間帯で、中盤から必死に返って相手のクロスに懸命に足を伸ばし、触ってそれがゴールに入ってしまったもの(本人談)
オウンゴールって最高の失点。だから、めっちゃ褒めてやりました。
彼ら自身で決めたスタメンは、こちらの想定とは違うもの。それが見事にハマり、躍動し、彼らの手で彼ら自身の最高をアップデートしてくれた。それが、何よりも嬉しかったのです。
惜しくも敗れたけれど、今回に関しては何も言うことなし。彼らを大絶賛したいと思います。
最新の自分が最高の自分。このゲームを機に、またリスタートです。
伊勢原フォレストFCさん、ありがとうございました!
感じて動け!
9月8日(日)
U-10・レコスリーグ
(東京横浜ドイツ学園)
夏休みも終わり、この日からレコスリーグも再開。まずはU-10から。
普段攻守ともに大車輪で活躍する某選手が、前日のU-12の試合に呼ばれ足を負傷。なのでこの日は不出場。それでも本人ちゃんと試合会場に来て、一緒にベンチに入ったのはとても偉いと思う。
こうでなくちゃね。
しかし…自分は出場せずマネージャーに専念、気楽に見ていられるという非日常が逆に新鮮だったのか、こいつ普段よりもめっちゃうるさくてかなりウザくなるほどのハイテンション。
思わず「お前うるさい。ちょっと黙っとけ」と言ったほどw
試合は…彼に依存せずにどれだけやれるかなという楽しみがあったけれど、残念ながらこの日はあまりそれも見られず。人任せ、アリバイ探しなプレーが相次ぐ前半。
3年ながらセンターバックを任せた子が、ひとり奮闘してる。
「こういう味方の姿を見て、感じて動いてくれよ。眺めてるんじゃないよ」
と。ハーフタイムに伝える。
後半…少しばかり良くなったものの、試合をひっくり返すほどの、観ている人たちに何かを伝えるほどの劇的な改善は残念ながら見られず。
そういった、消化不良なゲームとなりました。
こういう良い仕掛けはあったんだけどなぁ。続かず、所々の単発に。
また次、頑張りましょ。
愛されるという勝ち方
9月7日(土)
【ジュニアユース】LOBØS.FC.ラコリーニャス
U-13リーグ
(上平間サッカー場)
午前中のU-12トレマッチを終え、U-13に合流させるU-12の選手3名を乗せ、川崎市の上平間サッカー場へ。
お初のグランド。神奈川にはまだまだいろんなグランドがあるもんだなぁ、と。
U-13リーグ、1stステージもあと3戦。この日の相手はお初の相手。
正直、前半の入りはあまり良くなかった。意図したわけではないんだけど、相手に対して、こちらあまり前から行かず。別に行けなかったわけでもないし怖がったわけでもないんだけど、別に最初からガンガン行ってもしょうがないっしょ、とも思うし。
まぁそれでも、思ったよりは入りが良くなかった。
全部を詳しくは書きませんが、そんなうちの選手たちを見て、相手の監督さんからの口撃が始まり。
「相手に合わせんなよぉ」
等々、これはまだソフトなほうだけど、まぁ…他にもいろいろとひどいことを結構言ってきた。
まぁ、色んな人がいるもんだ。いつもならそんなこと言われたらめちゃギレする僕ですが、この日は穏やかにいようと決めていたので、ずっと我慢してました。
ハーフタイム。
「相手はバルサみたいなサッカーをしたいんだと思う。ユニもバルサそのものだし、4-3-3だし」
「でも、残念ながらバルサでもなんでもないし、メッシもブスケッツもいないし」
「ベンチに座ってる監督も、残念ながらグァルディオラでもなんでもない」
「だから何ら怖がることもないし、臆せずやればいい」と。
そしてこの日は前半途中から、主審の方が、相手のファールに対しかなり厳しく、正直いうと結構うちに有利な笛を吹いてくれていたような気がした。気がしてた…ではなく、たぶん本当にそうだった。
「主審に文句も言わず、相手ベンチの声にもイラつかず、ひたむきにプレーし続けた君たちが、きっと色んな人の心を動かしてる。
だから自信を持って、このままやわらかく冷静にプレーしよう」と伝えました。
後半。残念ながらスコアはひっくり返せなったけれど、それでも、彼ら一人一人のプレーに対する姿勢や表情、実際の戦いぶりは、これまでで間違いなく一番のもの。
闘争心を秘めながら、でも、やわらかく冷静に。でも、やっぱり最後は闘争心なんだよね。
意地があるならぶつけるべきだし、悔しいのならばプレーで返す。
軽いプレーでいつも僕に言われ続けてる某やんちゃな男が、この日は最後までドリブルで相手を引きずり倒し、守備にも一目散に帰り…と、自分がチームの中心になるんだという姿勢を、そんなパッションをピッチ上で表現し続けてた。それでいいんだ!
負けたけれど、最後まで試合を捨てず、そして自分たちの大切にするものを捨てずに意地を見せて戦った彼らを、こんなに誇りに思ったことは今までなかったです。
主審の方も、後半はより一層、うち贔屓に吹いてくれてたような(気がする)
あくまでも、そんな気がする…だけですけど。
人の心を動かすことって、きっとあるよね。僕はそう思います。
ただ試合に勝つよりも「愛されるという勝ち方」のほうが、よっぽど難しい。
この日の彼らは、それを少し体現してくれていた。だから、僕は嬉しかった。
しかし最後にひとつだけ。
後半、思い通りにいかないことに苛立ったのか、相手の監督さんはついに
「目指してるところが違うってことを見せてやれよー!」とまで言ってきた。
この言葉だけは、どうしても許せない。うちの目指してるところなんて何も知らない、何も見えてないくせに。
よくこういうことを平気で言えるよな、と。こんな人のことは、自分は心から軽蔑する。
別に、誰とでも仲良くなろうなんて思わない。
この日は、昨年急逝した教え子の命日、一周忌。だから何があろうと、何を言われようと、穏やかでいようと決めていた。
伸哉に感謝しなきゃな。
記念すべき初ゴール
(画像は全て6年某パパ提供)
9月7日(土)
LOBØS.FC juniors U-12 vs かながわクラブ
(新横浜公園第二運動広場)
合宿明け、夏休み明け初のゲーム。
以前から交流させてもらってるコーチ仲間の豊田さんが率いる「かながわクラブ」さんと。
かながわクラブの選手のみんな、そして豊田さん、ありがとうございました。
5年の某パパがあげてくれたアルバム
https://photos.app.goo.gl/kv7WkUNaKQXawP6K9
この日は予想以上に選手が集まったので、8人制で2チーム編成。
① 残酷にABで分ける
② 均等になるように、シャッフルして分ける
③ 6年生6名にU-10から飛び級参加の2名をくっつけての6年チームと、5年8名のチームに分ける
この3つのうちどれにするかみんなで決めて、と彼らに任せ、彼らが決めたのは…②の均等分け。
でも自分たちじゃ分けられないからどう分けるかはくぼっち決めて、と言われたので、そこは自分が分けて決めました。
こういう、なんとなく子どもと大人が相談しながらフラットに決めていく感じ、悪くないかなと思ってます。これも合宿の流れですね。
そんなわけでゲームもいい感じ。
うちのかながわクラブさんもお互いに2チーム編成、その分け方も結果としてお互いバッチリとハマった感もあって、常に一進一退の良い時間の中でやれることができたんじゃないかな。
やっぱり、変な公式戦や大会よりもこういった気心の知れた同士のトレーニングマッチの方が、100億万倍好き。ストレス全くないしなー。
そしてこの日
昨年冬からサッカーを始めたばかりの某6年女子が、待ちに待った初ゴール…!
この瞬間をみんな待ってた。久しぶりに、自分も「おぉっ!」って声をあげちゃった。
ポジショニングや動き出しのタイミングを少しずつ掴んできてるっぽいから、これからきっと、ポンポン点を取るんじゃないかな。運動能力は高いから、なおさら楽しみ。
初ゴールおめでとう!
ネットを揺らしたあの快感を忘れずに、これからもサッカーを楽しんでいってほしいな。
彼女のパパもこの場にいたけれど、本人「あ…見てた見てた」と言いつつも、
たぶん見てない疑惑…w
U-10・U-12 夏合宿 〜 クラブを超え、ファミリーになる
8月22日〜24日に実施した、U-10・U-12の波崎合宿。波崎といえばここ、とも言われる人気の宿「ミンションやまざき」さんに、今年はお世話になりました。
さて
今回の合宿のテーマは、ジュニアユース(中学生)からジュニア(小学生)いっそのこと園児まで、クラブのアイデンティティーを含めた様々な「クラブのモデル」の一貫性を持たせること。
ゲームモデルとプレーモデル。これはクラブのトップであるジュニアユースが取り組んでいるものをジュニアレベルに解凍・要約して、年齢やレベルに合ったものを落とし込む。
そしてひとりの選手としてどう在りたいか、どうなりたいかをそれぞれが明確にイメージし、そこに向けてセルフデザインをしていく「フットボーラーズモデル」に関しては、期間中に書いてもらったサッカーノートを交換しながら、ピッチ上でもピッチ外でも、それぞれに問いかけ、感じて、考えて、自らが描いたフットボーラーズモデルに恥ずかしくない行動をしてもらうこと。
ゲームモデル、プレーモデル、フットボーラーズモデル。この「3つのモデル」を共有し、サッカーを通じて仲間とともに楽しい日々を過ごしていくのが「クラブ」であり、その繋がりをさらに深く濃いものにしていくため、そしてそれぞれの「居場所」なんだと思ってもらい、クラブの枠をも超えてファミリーになれるように、合宿は行うもの。
そういった意味で、夏が終わり、秋が始まった今。今回の合宿に参加した面々の姿やプレーそのものを見て、この合宿は間違いなく「史上最高の合宿」だった。
確信をもってそう言える、充実した3日間だったのです。
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今回、参加は計33名。6年生…5名、5年生…7名、4年生…9名、3年生…12名。
U-12カテゴリーはU-10から3.4年生を6名を飛び級inさせて18名、U-10カテゴリーは15名。
こうしてふたつのグループに分かれ、3日間、ひたすらほぼゲームの中でトレーニング。
ゲームは8人制ではなく、U-12は9人制、U-10は7人制で。LOBØSとしての「ゲームへの考え、捉え方」がここに大きく表れているということは、感度の高い方にはきっと感じてもらえるかと思います。
実は同時期に同じ波崎で合宿をしている数チームから試合のお誘いがあったのだけれど、今回は全て断りました。
外との交流で嫌が応にもスケジュールに無理が生じてしまって大事なトレーニングが疎かになったり、出発の時間や宿で休む時間に影響を及ぼされるのは、今回は特に避けたかったので。
やる時は全部やるし、休む時はしっかりと休む。用意した密度の高いスケジュールの中で、何かが少しでも中途半端にならないよう、今回は内輪だけで動けるようにしたかったというのが本音のところ。
気心の知れたチームとならばその辺は調整もできるだろうけれど、あまり知らないチームとだと、うまくいかないことの方が多いし。
そんなこんなで、今回は割り切ってトレーニングのみ。虎の穴に連れてきた感覚で、徹底してゲームで鍛えた3日間となったのでした!
グランドに着いたらすぐに全体練習を始めるのではなく、たっぷりの自由時間。
この自由な時間が、今回の合宿ではとても重要だった。
その間に各々が準備をしたり、自主練したり、わいわい言いながらボール蹴ったり、気が効く子達はジャグの準備を手伝ってくれたり。
この時間で子どもたちのアイドリングがかかり、サッカーをする欲求を渇望させ、いざ始まると一気にスイッチが入る。このサイクルが、3日間ずっと。
そして全てコーチ側が仕切りコーチの言う通り指示されるままに時間が進むのではなく、あくまでも子どもたちとの協同作業。U-12に関して言えば、トレーニングの趣旨はこちらが説明しオーガナイズもするけれど、ではそれを次にどう発展させていくか?といったところは、彼ら彼女らと僕が共有する空気感であったり、実際に子どもたちが主体となって次のメニューを決めたりという、フラットなボトムアップの様式で行うことができたと思う。
トレーニング時間は普段の倍。密度もほぼ倍。これは、合宿という非日常の場所と時間に来たからこそできるアドレナリンのなせるワザみたいなもので、フットボーラーズハイになった感覚で、3日間、本当にゲームの中でたくさんのことをトレーニングできたのです。
狭さをつくり、広く思いながらプレーすること。
このゲームモデルから逆算して、局面局面でのプレーモデルを落とし込んでいく。
カテゴリーとレベルに合わせた「モデル」をつくる3日間、みんなとても頑張ってくれてました。
自信がつくと、立ち姿が変わる。
風情(ふぜい)が変わる。
これらの画像たちを見てくれれば、納得してもらえるかな。
笑いながらぶっ倒れる。
「もう限界…でも、楽しかった!」ていうのが理想だもんナ!
U-12
U-10(U-12でトレーニングした6名も)
これは最終日に早貴コーチが撮ったもの。U-12もU-10も3日間の充実ぶりが伝わってくるかのように、みんないい顔してるでしょ!
はい、よく頑張りました。
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サッカーがメインではあるけれど、サッカー以外の時間も、合宿では同じくらい、いやサッカーよりもさらに大事な時間だ。
まずずっと言い続けたのは「質問禁止」
「聞かれたら、ダメって答えるからな」ってずっと言ってたw
「トイレ行っていい?」
「ダメ」
「水飲んでいい?」
「ダメ」
「自販でアイス買っていい?」
「ダメ」
トイレ行きたきゃ勝手に行け、水飲みたきゃ勝手に飲め、アイス買いたきゃ勝手に買え。
パス受けていい?ドリブルしていい?空気吸っていい?って聞かないだろ。
普段の練習や試合ではこんなの当たり前で誰も聞いてきたりしないのに
(たまに、他クラブにも所属してる子は聞いてくるけど)
合宿に来ると、なぜか「質問マン」が増えてくる。
そのたびに、僕は必ず「ダメ」って言うだけなんだけど。自分で考えて、自分で行動すればいいだけ。
フットボーラーには一番求められることだ。
合宿がなぜ大切な行事なのか。それは
ひとつ屋根の下に全員で一緒に暮らし(今回は本当に一軒家を一棟貸し)
皆で協力して用意し、同じメシを食い、皆で片づける
(初日夕食は、自分から動かない面々に某早貴氏がブチギレw)
誰かが困れば、それに気づいた誰かが助け、それでも助けられなければまた仲間を呼んでみんなで助ける。それでも無理ならコーチの出番。結局みんなで解決する。
ある夜、ある部屋の中で、ある問題が起きる。当事者はもちろんのこと、そこに居合わせた全員で、問題を解決する。あの時間は、とても大切なものだった。
普段のグランドだけでは話せないことも、ここでは話す時間がたっぷりある。
子どもたちから僕らコーチへ、普段は言えないようなことも、ここでは話してくれる。そんな時間が、合宿では本当に大切だ。
口で言えない恥ずかしいことは、サッカーノートに書いて教えてくれたり。
そこにまた、返事を書いて返す。
「この子にはこんな一面があるのか」
「え、コーチってこんな人だったんだ」
というような、普段ではわからないことの発見もできるし、そこでまた、お互いの繋がりは深くなれる。子ども⇄コーチだけでなく、もちろん子ども同士でも。
だから合宿って大事。クラブを超えて、ファミリーになれる場所。
合宿の前と後では、お互いの距離はグンと縮まる。だから合宿を休むと損だよって、子どもたちにはいつも言ってる。
今回子どもを参加させなかったお母さんお父さん、次回以降、その辺ぜひよろしくお願いしますね。
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ジュニアユース合宿 〜 2泊4日の旅
台湾HUFCのみんなと。
スポーツは国境を軽く越える。再見〜
(MJスポーツパーク)
期間中、松永コーチがUpしてくれたアルバムはこちら
↓↓
今回の合宿のアテンドをお願いした亀田さんは、富士宮市をホームにクラブチームを運営し、トップチームからジュニア、女子カテゴリーまで展開している。
クラブを一般社団法人化した時も、その方法や手続き等の指南をしてくれて大変お世話になりました。このクラブの恩人のお一人。
そんな亀田さんに3日間のマッチメイクも全てお願いし、有り難いことに様々なタイプのチームとたっぷり試合をすることができました。おかげで3日間大充実。
うちの選手達にとって、貴重すぎる機会となったのです。
3日間、ゲームの中で「広く思いながら狭さをつくり、相手の裏を突いて崩していく」
というゲームモデルを追求し、合間のトレーニングも挟みながら、大切なものを積み重ねることができた。
しかしサッカーは、思い通りにならないことも多い。自分達の思うようにいかない時、疲れて体が動かない時、頭が回らない時、諦めそうになった時。そんな苦しい時に「もう無理でーす」と自ら白旗を上げて楽に走るアリバイプレーヤーになるのか、それとも「ここからが勝負」と、もうひと頑張り、もうひと踏ん張りができるか。
その違いが、3日間で如実に表れてきたのも現実。そこの差は、これからの日々のトレーニングとゲームのサイクルの中で、少しずつ埋めていかなければいけない。
おそらく選手たち自身が、そこは一番感じてくれているとは思うのだけれど。
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さらにこの合宿では、コーチから選手達への上意下達・トップダウンではなく、一緒に考え、共有し、相談しながら一緒に物事を進めていく「フラットなボトムアップ」を掲げ、全員リーダー制も決め、ミーティングも彼らが中心に話しながらそこに大人の意見も多少加え、またそれを彼らが吟味し取捨選択していくことへの取り組みを始めました。
フラットなボトムアップ。
協同探求しながらフットボールを楽しみ、自らをデザインしていく。
クラブの新たなアイデンティティーを、生み出そうと。
サッカーだけでなく、初日の夜には英語でのワークを行い他者から見た自分、矢印の向け方を考え、2日目の夜には「社会、世界、歴史とフットボールは密接につながっている」ことをテーマに、日本とアジアを取り巻く近代の歴史と、今、リアルタイムで起きている問題についての勉強会も。
フットボーラーは、社会のヒーローであってほしい。そんな願いも込めて。
みんな眠たい目をこすりながら、それこそ「一緒に考えて」くれました。
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3日間、様々なタイプのチームと対戦したことで、見えてきたのが「魅力とは」ということ。
勝敗、強い弱い、上手い下手…そういう表面的な評価基準と、
「このチームとこのままもっと試合していたい」「このチームともう一度試合したい」
と思えるのは、全く別のこと。
例えば3日間全て対戦してもらった台湾のクラブチーム「HUFC」さんは、ゲームが始まればバッチバチ、多少のコンタクトも厭わず、一昔前の体育会系を思い出すようなノリでガンガンとこちらに牙を剥いてきた。ピッチ内は「日本対台湾」の国際試合となり、ヒリヒリした雰囲気の噛みつき合い。
でもいざゲームが終われば、謝謝、ありがとう、Thank you!と、お互い思い思いの言葉を使ってコミュニケーション、そしてそれぞれ笑顔で握手やハイタッチ。
そんな感じで3日間ずっと、彼ら台湾とのゲームはとっても心地よい時間だった。
しかも、初日よりも2日目、2日目よりも3日目…と、彼らどんどんゲームのクオリティーが上がってきてたし。
慣れない日本の地で様々なストレスや疲れがある中で、あれだけパフォーマンスを上げてくる。アグレッシブだしひたむきだし、とても魅力のある選手達ばかり。
つい忘れがち、疎かにしがちなものを思い出させてくれるような彼らのサッカーに対する姿勢や意識は、間近で接していて、とても感銘を受けるものでした。
一方、初日に対戦した静岡の某クラブチームの「3年生たち」は、ゲーム中でもふざけ、奇声をあげながらプレーをし、年下相手にイキり、ファールを繰り返し、こちら怪我人続出。
それに対して指導者は笑いながら見ていて、何も言わない。
こちらの選手がひじ打ちを喰らい鼻血を出して3人もピッチ際で治療しているのが見えているのに、ゲームが終わっても、指導者は何も言ってこない。
あぁ、そういう人で、そういう人が指導している選手たちなのだなと、諦めの境地に自分を抑え込み、なんとか怒りをぶつけずにその時間を終わらすことができたけれど。
そして2日目に対戦してくれた亀田さんのチーム「岳南Fモスペリオ」の選手達。
人数が少なく台湾のチームから助っ人を借りてうちと対戦してくれたのだけれど、試合前に彼らが楽しそうに遊んでる様子を見ていたら、これはあの静岡のふざけたチームと同じ感じか…と一瞬不安もよぎったのだけれど、いざ試合が始まってみたら、試合前のやんちゃな姿は一変、1プレー1プレーを必死にひたむきに、全力でプレーをしてくれる。
人数が少ないというのは結構モチベーションに響くものなはずなのに、それでもゲームを楽しみ、相手と全力でぶつかり、そして試合後はやっぱり笑顔で握手。
さすが亀田さんの指導しているチーム。
「指導者の人柄が、チームの色になる」という言葉を思い出したのでした。
最終日に対戦した、某J3クラブ・U-13の選手たち。
最初のゲームでは、うちが数点とって無失点で完勝。それを受けての2本目、コーチからの叱咤もあり、彼らは1本目とは比べ物にならないほどに強く熱く、そして最後まで緩めずに、立ち向かってきたのでした。
J3とはいえ、俺たちはJのアカデミー。負けたまま帰るわけにはいかないとばかりのプライドが彼らから垣間見え、それに対しうちの選手たちの方が圧倒されるシーンもしばしば。
結局シーソーゲームの末、1点差でJの彼らがうちを上回ってゲーム終了。
終了の笛が吹かれた瞬間、勝った彼らはピッチにへたり込み、倒れ込んでる選手が複数。
勝ったチームの、全力を振り絞った姿。ここまでやり切って、初めて「楽しかった!」「悔しい」と言える。
一つ年下の彼らにも、とても大切なものを教わった気がしました。
このように、人を動かす魅力って決して強さや上手さだけでは測れないもの。
それを、台湾のチームや亀田さんのチーム、そしてあのJクラブの選手たちからは良い意味で学ぶことができたし、あの静岡の某クラブチームからは、反面教師として学ぶことができた。
うちの選手達にも、実際にそう話しました。
2泊3日と短い期間だったけれど、有り余るほどの機会と刺激のシャワーであふれた3日間。
従来、2泊3日だと初日の午後から3日目の午前まで、という感じだけど、今回は初日の午前から3日目の夕方までみっちりたっぷりと時間を使ったので、実質【 2泊4日 】みたいなもの。
その中で、海外のチームとの交流もでき、良いことも嫌なこともたくさん味わいながら、それぞれが少しずつ自らをデザインし始めた3日間。本当に、スーパーで濃密な合宿になりました。
この成果は、秋以降にたっぷりと選手たちに表現してもらいましょう。
アテンドして下さった亀田さん、お世話になった皆さん、対戦して下さった皆さん、ありがとうございました。謝謝、再見!